暴落相場がくると市場が恐慌状態に陥り多くの銘柄が割安価格になりますが、同じ様に株価が下落してもその後の回復局面で株価が戻るかどうかは同業種でも差があります。
それでも成長が期待されている小さな会社より大手の成熟企業は回復が早い傾向にあると考えられるので、今回はその理由について見ていきます。
株価に占める期待の割合が低い
若い成長企業は将来の成長を投資家が期待しているので、その下駄を履いた株価は不調な決算や景気の悪化など投資家の期待が失われると必然的に暴落します。
成熟企業も暴落相場では影響を受けますが、株価が企業の持つ価値を大きく下回っている割安銘柄と呼ばれる企業も多くあり、そのような企業は比較的株価の減少が緩やかになる傾向があります。
若い企業と成熟企業が同じ株価をつけていたとしても、その株価がついた要因は全く違うので相場によって値動きに大きな違いがでそうですね。
過去の暴落を生き残っている
創業100年以上の企業は例えば1929年の世界恐慌やバブル崩壊、リーマンショックなど様々な暴落を乗り越えているので対処法をよく理解していて、キャッシュを溜め込み平時から備えをしている企業もあります。
また長期投資家は過去の実績を研究しているので、暴落を乗り越えた企業は安定性が評価されて長期保有する方が増えるため株価が下がりにくくなるという好循環が生まれます。
一方で若い企業は多額の融資や社債を発行する事で自身の事業を成長させる事に注力しているケースが多いので、不調期を乗り切るキャッシュに乏しくまた利子の支払いも大きな負担になります。
海外からの投資が集まりやすい
海外の証券会社では日本の個別銘柄を扱っていないケースもあり、企業の規模が小さくなるほど購入手段が限られていくので、外国の方がどうしても特定の日本株を買いたい場合は専用の証券口座を開設する事も考えられます。
実際に日本の株式市場で3割ほどを占めるとされる海外投資家は主に投資信託を通じて日本株に投資していて、必然的に海外投資家の資金は大型株に集まりやすくなります。
また日本にもグロース株はありますが、成長性の高さで言うと米国企業の方が優っている場合が多く、ましてや暴落相場で日本の中小型株に投資するのは余程の日本株通と言えそうです。
まとめ
市場が不安定になると投資家は体力が少ない中小企業から資金を引き上げキャッシュを確保し、過去の実績がある大企業に注目が集まるケースが多くなると考えられます。
恐慌状態で大きく株価が落ちた小型株を全力買いして大きなリターンを狙う手法もありますが、相場を熟知した投資のプロ以外は何よりも生き残る事を重視したいですね。