中国では不動産不況により消費が弱り深刻なデフレに陥っていますが、それでもGDPを毎年5%成長させるノルマがあり、実際に去年は実質GDPを丁度5.0%(名目4.0%)成長させる事に成功しました。
今回は不動産業の現状とそのマイナスを打ち消すために中国が打ち出してきた経済戦略を見ていきます。
マイナス要素
GDPの成長に急ブレーキをかけているのが不動産業で、投資額は2024年比で17.2%減少し販売額は同8.7%減少しています。
これは政府の補助金が投入された後の数字なので生半可な対策では解決できない問題という事がわかり、更に融資していた銀行や不動産関連の投資商品を持っていた方にも大きな損失が発生しました。
結果的に国内は消費をできるだけ抑えようとする動きが強まり、内需の力で成長が難しいと感じた政府は外に活路を見い出しました。
ASEAN・欧州地域との貿易
去年は米国でトランプ政権が発足したことで関税の問題から米国との取引を縮小し、代わりにASEANや欧州、一帯一路関係国など別の地域への輸出額を増加させました。
結果的に全体の貿易黒字は1兆1889億ドルと初めて1兆ドルを超え、2024年の9921億ドルと比較して20%近い成長となりGDPの押し上げ要因となりました。
一方でこれだけ黒字が増えているという事は輸入はあまり増えていない事を示し、実際に2025年は輸入額が1.1%しか増えていなかったので今後貿易摩擦の様な問題が発生する可能性はありそうです。
消費刺激策
中国の消費刺激策として力を入れているものの1つに家電買い替え奨励策があり、政府が設定した12品目の家電は販売価格の15%の補助金が支給され、エネルギー効率の良い商品の場合は20%が支給されます。
同様にしてEVなど中国が過剰生産していた製品や、住宅リフォーム、観光、養老サービスなど様々な分野に対して補助金を出していき、対象の品目やサービスの種類は年々増加しています。
補助金を出している分野では消費が伸びているのは確かで、例えば家電類は前年比11%販売額が伸びていますが恒久的に続けられるものではないので、一般の方が消費に前向きになれる様に雇用環境を改善する政策から始めた方が良いかもしれませんね。
まとめ
中国は不動産不況によるデフレと失業率の高さにより経済成長が極めて難しい状況に陥っていますが、米国以外に対して輸出量を増やし国内では消費刺激策を行う事でGDPを伸ばし続けています。
ただ輸入額は変わらず輸出だけを伸ばす方法は相手国との軋轢を生み、消費刺激策も恒久的には続けられるものではないので、今年は雇用の安定という根本的な解決策を模索する必要がありそうですね。