日本企業は低価格帯の接客業でもサービスの良さが評価されていますが、必要以上にサービスを行う過剰サービスの問題が発生しています。
今回は各社が過剰にサービスを行う弊害について考えていきます。
①従業員の疲弊を招く
24時間営業の店舗など長時間労働を強いる店は他社との優位性を獲得する代わりに従業員の疲弊を招き、慢性的な人手不足に陥りやすくなります。
睡眠時間が取れていない従業員は本業のサービスの質が低下し、殆ど客が来ない時間帯にも店を開ける事で生産性も低下します。
またコンビニの様に店舗内でできる事が増えると従業員は品出しや会計だけでなく、ホットスナックの調理や荷物の受け取り、代行サービスの受付と覚える事が多岐に渡り従業員が一人前になるまで時間がかかります。
一昔前の様に従業員の代わりがすぐ見つかる時代ではないので、経営者はもう少し人材の負担を考慮した経営を行わなければいけませんね。
②サービス競争が起こる
ある会社が新しいサービスを展開すると他の会社も真似をして同じサービスを提供し出すので、そのサービスは当たり前のものとなり各社は導入コストを払いつつも優位性は得られないという状態になります。
これは厳しい環境で生き残るために必要な事ではありますが、このサービス競争に加え価格競争が同時に起こると一時の牛丼チェーンの様に価格の値下げ合戦に突入する危険もあります。
またこの傾向が社会全体に広がると消費者はより安い商品やサービスを求めるようになり、日本が長年苦しめられてきたデフレ不況につながる恐れもあります。
各社が独自のサービスを展開する事で差別化を進め、付加価値を高める工夫をする必要がありそうですね。
③悪質クレーマーを増長させる
客の意見を取り入れてサービスの改善に活かすのは良い事ですが、明らかに無理な要求をしてくる悪質クレーマーの要求を聞くと業務に悪影響がでたり一般の客足が遠のく要因になります。
またクレーマーの要求に折れる店が増えるとクレーマーが増長し他の店でもクレーム行為を繰り返す事態になりかねません。
近年では従業員保護する傾向があり理不尽な要求を却下する事例も増えているので、この調子で社会が悪質クレーマーを育てない事が重要ですね。
まとめ
サービスの質を向上させる事は重要ですが行き過ぎたサービスは従業員を疲弊させ、割に合わないコストを払う必要があります。
サービスの質と利益を天秤にかけ良いラインを見極めると共に、独自のサービスを伸ばす工夫が必要になりそうですね。