1月31日に大手回転寿司チェーンの店内で悪質なイタズラを行った映像を動画サイトに投稿するという迷惑行為が発生し、1日で株価が5%近く下落するという大変な事態となりました。
外食サービス業は身近な業種で株主優待を実施する企業も多くある事から個人投資家に人気ですが、特有のリスクを抱えています。
今回は投資対象として見た時の外食サービス業が抱えるリスクについて考えていきます。
①食の安全
今回の迷惑行為のように悪意を持った人物の妨害により顧客からの信頼が損なわれるケースの他、狂牛病や鳥インフルエンザなど食材に異常があった場合予定通りの料理を提供できない事態も考えられます。
企業の不手際ではなく外部環境の変化により損害を受けるのは理不尽な面もありますが、信頼のおける業者から食材を仕入れたり監視を強化する事で対応するしかなさそうです。
②食材コストの変動が大きい
日本では長年の不況により価格の引き下げ合戦が行われていて、競争を勝ち残った会社の中には一杯300円未満の牛丼や1つ100円未満のハンバーガーを提供する会社も現れました。
しかし、安さで売っていた企業が環境の変化で高単価路線に切り替えるとそれまでの客が離れてしまうのが世の常で、M社の場合2002年にハンバーガーの価格を65円から80円に上げたところ客数・売り上げ高共に2割近く減ったという事例があります。
原料費はどこの業界でも変動しますが、特に生鮮食品は価格の変動が激しく料理の価格設定が非常に難しくなっています。
③アルバイトが集まらない
外食産業は非正社員を多く雇うのが特徴的で、大手外食チェーン(ゼンショーHD、すかいらーくなど)では全体の8割以上を非正社員が占めています。
ただ最低賃金の上昇と年収の壁問題の合わせ技や外国人留学生の減少などアルバイトを確保するのが難しくなっていて、本部の正社員が現場にでたり営業時間や店舗数の減少などの問題がでてきます。
今後も少子化の影響で以前のように学生アルバイトを集めるのが困難になると思われるので、シニア層や主婦層など新たな属性の人材確保が重要になりそうです。
まとめ
外食サービス業は日常で利用する場合も多く個人投資家にも人気がありますが、実際には多くのリスクがあります。
それでも元々優待券がメインの優待投資家の方にはお勧めできる銘柄もあるので、優待の継続性や今後も利益を上げられるかを予想してから買いに向かいたいですね。