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N動画が衰退した理由

現在は様々な動画共有プラットフォームが存在していますが、2010年頃のネット上ではYouTubeよりもN動画が幅を利かせていました。

 

ただ昔の栄光の見る影はなく、今のN動画は昔のマニアックな動画を懐かしんだりアニメの生放送を見たりセリーグのファンが横浜戦を観戦するのが主な役割となってしまいました。

 

かつて栄華を誇った企業の衰退を見るのは心苦しいですが、日本企業の負の面が色濃くでていた部分もあるので、今回はN動画衰退の原因を分析してみましょう。

N動画について

N動画はD社が2006年末に開始した動画配信サービスで、ユーザーが書き込んだコメントがテロップ形式で流れる事が最大の特徴です。

 

この機能を活かして複数のユーザーにより同じ様なコメントを発する「弾幕」と呼ばれる現象が発生したり、文字や記号を用いて絵を表示するアスキーアートを書き込むユーザーもいました。

 

また初期のN動画ではアマチュアが面白い動画を発信していて現在の様にサイトから収益を得るプロと違って常識に囚われない自由な発想の動画を楽しむ事ができました。

 

ただ色々な選択肢を間違えた結果2014年頃から衰退が始まり、数年後にはYouTubeなど他のサイトが台頭した事で主流のサイトではなくなってしまいました。

 

下ではその原因を1つずつ見ていきます。

①倫理観の欠如

N動画には2000年代のネットの悪い部分が残っていて投稿直後に赤コメで罵詈雑言を発したり、荒らし行為を行う悪質なユーザーが多くいて凄まじい無法地帯でした。

 

ただ現在の動画サイトのコメント欄を見てもわかる様に、令和の社会では他者の尊重や協調といった要素が重視されるので、挨拶がわりに悪口を言い合う文化は受け入れられにくく衰退の1つの原因となりました。

 

大きく利益を上げた一般的な企業でも、倫理観が欠如していたり他のユーザーが離れる要素を放置してはいけませんね。

②設備投資の不十分さ

N動画では課金サービスを利用しないとエコノミーモードになったり生放送から追い出されるなど、普通のサイトなら無料でできる事が満足にできないという不便な点がありました。

 

しかも手遅れになってから改善に動くという状況が続いていて、最新のケースで言うとエコノミーモード撤廃されるのが今年の3月1日という発表がありましたが、ユーザーが離れた後なので正に焼け石に水と言えます。

 

不完全なサービスを作って課金を要求するのではなく、早い段階で課金者に特典がある様なシステムにできれば良かったのかもしれませんね。

③時流への乗り遅れ

元々動画投稿は趣味で行うものであって2010年頃は動画で収益を出すのはタブーとされていて、数少ないマネタイズ可能なサンドボックスゲームの動画が溢れた際はそれをよく思わない勢力もありました。

 

しかしここ10年ほどは動画投稿(配信)を金銭を稼ぐ職業として見る動きが広がっていたのに、N動画はその潮流を見逃して投稿主や生主をまんまとYouTube等ほかのサイトへの流出させてしまいました。

 

他サイトでは動画投稿者が収益を生み出す仕組みをしっかり作っていたため、古参のモチベーションも上がりますし、新しい才能を発掘する事も容易だったため現在進行形で差をつけられています。

 

ITを巡る環境は常に変化していて打つ手が遅れると取り返しの付かない差が生まれるため、慢心せずに同業他社の動きを観察する事が大切ですね。

まとめ

N動画は業界の変化に取り残された結果、主流のサイトではなくなり今では廃村の様な規模のサイトに成り果ててしまいました。

 

また他の日本企業の中にも様々な変化に対応できず過去の成功体験に固執して失敗するケースが多いですが、社会は常に変わっていくので柔軟に物事に取り組む事が大切ですね。