配当狙いの投資家だけでなく成長性も追求したい投資家にも人気なファンドの代表が連続増配ファンドで、特に米国は連続増配年数の長い企業が多いため米国の連続増配ファンドは特に高いパフォーマンスが期待できます。
ただ一見隙の無さそうな連続増配ファンドも色々な視点で見ると上回ってくるライバルがいるので、今回はそれらとの比較を見ていきましょう。
連続増配ファンドの強み
連続増配ファンドはある一定期間配当金を増やし続けた企業ばかりにまとめて投資できるファンドの事で、米ヴァンガード社のVIGや各社が提供する配当貴族指数に連動する商品がその代表です。
企業が連続して増配するには毎年利益を上げ続ける必要があり、利益以上の配当を出してしまうとタコが自身の足を食べるように苦しい状態になりますし、配当を止めてしまうとファンドの構成銘柄から外されてしまいます。
ですので、連続増配ファンドの構成銘柄は安定して増配できる程の利益を出し続ける事ができる企業ばかりになるため、株価の成長性と将来的な配当の両立を実現できるのです。
①成長企業が強い局面では弱い
上の様に連続増配ファンドは素晴らしい性能を誇っていますが、強力なライバルに株価指数の連動を目指したインデックスファンドがあります。
あちらはS&P500など指数に連動した値動きを目指すため、例えば巨大IT企業が伸びていようと流行病が問題になってワクチンを作る会社などが伸びていようと利益を取りこぼさず恩恵に預かれます。
一方で連続増配企業は設備投資が終わった成熟企業が多く、最新のIT企業など新鋭の企業が人気の局面では市場平均と比較して利益を取りこぼす可能性があります。
連続増配ファンドとインデックスファンドはどちらも優れたファンドではありますが、特にグロース株が強い時の利益を重視するならインデックスファンドに軍配が上がります。
②短期的には配当利回りが低水準
連続増配ファンドは配当系のファンドですが高配当というわけではなく、買った時点の株価で考えて高配当と呼ばれる水準になるには長い時間がかかります。
ここでライバルになるのが初年度から高い配当を期待できる高配当ファンドで、比較的短期の5年程度で配当を使っていく場合や、配当を再投資する場合は高配当ファンドが勝る場合があるので最終的には好みで選択する事になります。
また1つの作戦として高配当ファンドを最初に多め買っておき、連続増配ファンドを後から買い増したり再投資して比率を増やすのも手ですが、将来の経済状況は全く分からないので自身で納得できる方法を選ぶのが大切ですね。
③緩衝材にはなりにくい
連続増配ファンドは性質上安定した企業が多いため、市場が不安定になった時ポートフォリオの値動きをマイルドにしてくれそうな気がしますが、株式を集めたファンドなので緩衝材の役割はあまり果たせません。
この分野でライバルになるのが株式と違う値動きをしやすい(相関性が低い)ゴールドの様な商品で、「有事の金」と言う言葉がある様に株式市場が低迷している時には一層光り輝きます。
汎用性の高い商品でもあまり多くの役割を果たすことはできないので、ポートフォリオのリスクを下げたい場合は専門の部隊の力を借りたいですね。
まとめ
連続増配ファンドは素晴らしいパフォーマンスを期待でき配当狙いでも売買益狙いでも利用できますが、ハイレベルな器用貧乏という面もあるので場合によっては他のファンドが勝る場合があります。
特に普通に長期投資を行う場合はインデックスファンドの方が良い場合が多いので、こだわりがないならそちらを選ぶのが良さそうですね。