今回は理論的に批判されやすい高配当株投資の精神面のメリットについて考えていきます。
高配当株投資の問題点
まず初めに断っておくと、高配当株投資は年利数十%を狙える様な投資ではなく、せいぜい年利3〜5%程の地味な部類の投資です。
それに加え、理論上は配当の数字分株価が下落しますし、その配当金に税金がかかるので再投資の時にコストがかかり複利の効果が出にくく、トータルリターンはインデックス投資等に負けることが殆どです。
ですので、資産の増加を目的にするのであれば広く分散された時価総額加重平均型のインデックスファンドに投資したり、リスクを取ってグロース株など株価の上昇が狙える投資を行った方が合理的です。
その他にも高配当株は成熟企業が多い事から株価がそもそも頭打ちになっているなどその他の課題はありますが、それでも高配当株をする精神面のメリットを語っていきます。
メリット①売りを気にしなくていい
キャピタルゲインを狙う投資の場合は最終的に利益を確定するまで投資が成功するか分からず、長年積み立てたインデックスファンドを少しずつ取り崩したり、これからも成長が期待できるグロース株を売るのは心理的に抵抗が出るかもしれません。
一方、高配当株は買いに向かうタイミングについては工夫が必要ですが、株を持ち続ける事が配当金という利益に繋がるので売りについては考える必要がありません。
当然、不祥事を起こした株や酷い減配をした株を売る必要はありますが、複数種類の株に分散投資できる高配当ETFを用いれば銘柄の入れ替えについても資産運用会社がやってくれるので振り込まれる配当金を心穏やかに見ていけます。
メリット②配当金の仕様用途が広い
配当金は、実質的には株の一部を利益確定した様なものですが、これを再投資に回すと上で触れた様に効率が非常に悪くなります。
そこでおすすめなのが入ってきた配当金を日々の生活で使ってしまう選択で、これはインデックス投資では真似ができない芸当になります。
例えば、1000万円を年間の利回り4%で運用できれば月平均3万円程の配当金が貰え、これで食事の質を上げたり、ジムや習い事代や勉強代に充てたり、軽めの旅行に行くなど使用用途は多岐に渡ります。
最終的なトータルリターンはますます低下しますが、将来にある程度備えつつ、今を楽しみたい方にはおすすめです。
メリット③下落相場も楽しめる
高配当株投資はバリュー株投資の側面があり、高騰しそうな株に順張りするというよりは、株の価値の割に安い銘柄を拾うのが大切になります。
株式市場の調子が良いときはキャッシュを貯めてながら増配に期待し、下落相場が来ても利回りが上がった株を選ぶ楽しみがあるのでどんな状況でもポジティブな感情で投資に取り組めます。
まとめ
資産運用をする上で利益の最大化をするのであれば、配当金に拘るのではなくインデックス投資などキャピタルゲインを目的にした投資を利用すべきです。
ただ、現役時代に楽しみつつ老後にもある程度備えたいなら高配当株は良い選択肢になりそうですね。