投資信託の中には1本買うだけで複数の資産に投資できるバランスファンドと呼ばれるファンドがあり、手軽に分散投資ができる事が特徴です。
ただバランスファンドはいくつかの問題があり、それへの投資が最適という人はなかなか居ないので、今回はその理由を見ていきましょう。
バランスファンドとは
バランスファンドは1本のファンドに投資するだけで、先進国や途上国の株や債券、REITなどに分散して投資する事ができる商品です。
その種類は8資産均等型や6資産均等型を始め各社が工夫して資産配分をしたもの等多岐に渡り、元々それらの資産に投資したい方にとっては良い投資先になります。
理由①扱いにくい資産が含まれる
多種多様な資産に投資するのは分散性を高めるのに大切ですが、日本株や新興国の債券など人によっては投資するのをためらう商品が含まれる場合があります。
ですので、最初から欲しい国のファンドや債券を組み合わせて買う事で不必要な資産を買わなくて済みますし、十分に投資期間を取れる場合は低コストのインデックスファンド一本だけを買うというのも有力な選択肢になります。
実際にインデックスファンドを買ったのち値動きが激しいと感じたら債券を買っていけば良いですし、更にリターンを求めたいなら個別株を買うなど調整も可能です。
理由②手数料が高い
現代の投資信託は低コストなものが多く、特に大手の資産運用会社が提供するインデックスファンドの中には購入手数料が無料で信託報酬が0.1%以下の商品も存在します。
ただ商品内容が複雑になるほどコストが嵩む傾向にあり、バランスファンドは商品によりますが信託報酬でいうと0.15%〜0.2%程度かかり全体的に高めな商品と言えます。
特に長期で持つ場合はこのコストの差が効いてくるので、もし分散投資をしたい場合は手間がかかりますが個別のファンドを組み合わせて買った方が良いですね。
理由③抱えるリスクの種類が多い
分散投資は性質が異なる資産に投資する事でリスクを減らすのも狙いの1つで、例えば一般に株式は高リスク高リターンで先進国が発行する国債は低リスク低リターンなので、両者を組み合わせる事でちょうど良い温度感で投資ができます。
ただ、抱える資産の種類が多いと為替の変動や特有のカントリーリスクなど多くの変動要因の影響を受ける事になるので、現在の価格変動が何に起因するのか分かりにくくなります。
長期投資は基本的に投資先の配分を変えませんが、自分の方針と合わないと感じたら構成を変える事も大切なので、日々の局面でそれぞれの資産の値動きがどう変化するか分からないのは困りますね。
まとめ
バランスファンドは元々投資したい資産構成と同等なものがあれば手間が掛からないため良い商品になり得ますが、そうでない場合不必要な資産が混じるなど不都合が多いです。
基本的に分散投資をする場合は自身で複数の投資信託やETFを組み合わせて買う事で、コストを安く抑える方法を探していきたいですね。