バブル期の日本で不動産投資をしていた方に盲信されてきたのが土地神話で、これに振り回されて破産する方が相次ぎました。
今回は土地神話と今も信じられている他の神話について見ていきましょう。
土地神話とは
土地神話は土地の価格が常に上がり続けるという思い込みのことで、政府の金融緩和や税制改正、メディアの楽観的な報道により引き起こされます。
一般的な不動産投資は定期的な賃料を受け取るのが目的ですが、投機熱が過熱すると多くの人が売却益を狙う様になり更に価格が上昇する状態になります。
こういった状況は後から見ると異常なのですが、当時は購入者にとって都合の良い情報しか耳に入らず機会損失を避ける思考が働くため忠告の声は耳に入りませんでした。
土地神話の崩壊
実態の伴わない価格上昇が続いても人々はその要因が経済の成長によるものだと信じて疑わず、一般の方は融資を受けても手を出せない水準となると、一部のプロの間でのみ取引が行われ次第に買い手が少なくなってきます。
そして何かの拍子にこれまで資産と思っていたものがそうでないと気づいた時、次第に資産を手放そうという動きが広がり市場は売りに出される資産で溢れます。
価格はファンダメンタルズから算出した適正な水準になるまで下がり続け、泡の様に膨らんだ価格で買った人は大きな損害を抱え土地神話はなかったと初めて気付くのです。
色々な神話
土地だけでなく投機対象になった資産が価格上昇を続ける現象は過去に何回もあって、それより前の教訓があるにも関わらず多くの人が苦しんできました。
古くはオランダのチューリップ、新しいケースでは中古時計やトレーディングカードなど、ブームにより注目されたものはブームが過ぎ去ると適正な水準に戻っていきます。
大きな売却益を見込んで投機を行う時、最新の動向にばかり気を取られる事なく最終的な買い手が誰になるか考えたいですね。
まとめ
実態を伴わない資産の価格上昇にはいつかは終わりが来て、崩壊を迎えた時資産を持っていた方は大きな損失を被ります。
影響力の大きい方の発言であっても参考にするだけに留め、投資の最終判断は自身にある事を常に忘れない様にしたいですね。