長期的に高配当株に投資するにあたり重要な指標は多くありますが、全ての要素を備えた株は少ないですし、優良銘柄は価格自体が高くなっている事があり配当のうまみが薄くなっている場合があります。
そこで今回は高配当株を選定するのに重視するべき指標について考えていきます。
高配当株投資の概要
高配当株投資は株価の値上がりを重視せず、毎年の配当収入を得る事を目的にした投資です。
グロース株など成長余力が多い企業は、得た利益を事業を拡大する為に使うので配当を出す余力がない場合が多いですが、安定的なビジネスモデルを獲得した成熟企業はキャッシュを貯め込む事が多くなるので、余った金を配当金として出す場合があり狙い目になります。
ただ、成熟企業を狙って毎年収益が落ちている衰退企業や、国や銀行からの融資がないと潰れる様なゾンビ企業には手を出さない様に気を付けなければなりません。
重要な指標①「EPS」
高配当株投資において、利益を安定して上げ続ける株に投資しその恩恵を受けるのが大切なので、1つ目の重要な指標は「EPS」です。
EPSは1株当たりの当期純利益の事で、この指標の推移を追っていけばその企業がどれだけ利益を上げられているかが分かります。
キャッシュリッチな成熟企業であっても、毎年EPSが落ちていく企業に投資すると減配や元本割れの被害を受ける事があります。
重要な指標②「配当性向」
上で挙げたEPSと配当の関係を見る事ができる指標が「配当性向」です。
配当性向は1株当たりの配当金をEPSで割る事で求める事ができ、この指標を見る事で企業が得た利益のうちどのくらいの割合で配当を出しているかが分かります。
一見すると配当は多ければ多いほど良いように思いますが、配当利回りランキング上位にあるような企業は配当性向が100%を超えるタコ足配当を出しているような企業があるので、これらを避けるために活用できます。
重要な指標③「非減配年数」
毎年安定した利益を出し、余裕を持って配当を出している企業でも毎年の配当額が安定しないと買いに向かうには難しいです。
EPSが順調に伸びていて配当性向が50%以下の企業は大体減配しない事が多いのですが、危機に相対した時に簡単に減配や無配を行う企業は次も同じ事をするかもしれないので、注意しましょう。
まとめ
高配当株投資を行うのに重要な指標は以下の3つです。
- EPS:毎年伸びている
- 配当性向:50%以下
- 非減配年数:10年以上
とはいえ伊藤忠商事のような優秀な銘柄でもここ30年で3回も無配転落した例もあり、実際に投資をする場合はどれかの項目を妥協する場合が多いです。
妥協する場合は考えられるリスクを頭に入れ、シミュレーションをしつつ投資に臨みたいですね。