参入障壁が高かったり競争優位性が高い技術を持つ企業を「経済の掘」を持つと言い、著名なバリュー株投資家も重視している概念として有名です。
今回は幾つか存在する掘のうち他社が多くの資金を投じても手に入らないタイプの掘について考えていきましょう。
①ブランド
経済の掘の中でも最高クラスの強さを誇るのが長年培ったブランドで、他社が同じ品質の製品やサービスを提供しても本家には敵いません。
例えばコカ・コーラ社は100年以上に渡り世界中で飲料を販売していたので黒い炭酸飲料の参入障壁は高く、コカ・コーラより前に存在したサロンパスの匂いがする飲料や薬品の匂いがする飲料よりも一般的に人気が高いです。
また家電など他国に押され始めている分野でも日本製品を重視する人もいますが、これも長年築き上げてきたブランド戦略の効果で、こういった顧客が多ければ企業は安心して経営を続ける事ができます。
②職人技
機械による大量生産が実現した現在でも手作業による工程は残っていて、他社がいくら設備投資を進めても真似するのは困難です。
日本では地方の町工場の職人がロケットの核心部分を製造している様に至る所で技が受け継がれていて、受け継いだ職人1人1人が深い掘を形成しています。
何でもかんでも職人制にすると生産力の面で他国に遅れを取る場合もありますが、1つの技術を極める文化は今後も続いていきそうですね。
③革新的なアイデア
イノベーションを起こすIT企業は、1つのサービスで巨大な工場群や多くの農作物を収穫できる土地を凌駕する価値を創造します。
良い製品から学んで改良したり社員に教育するのは資金と時間を注ぎ込めば可能ですが、0からイノベーションを起こせるのはほんの一握りの人だけです。
ですので限られた人の可能性を潰さないためにも、出る杭を打たず自由な発想を思い描ける社会を作ることが大切ですね。
まとめ
長期で企業の株を持つ際は競争優位性が重要な要素で、特にお金をいくら積んでも他社が真似できない知恵や技術はその企業の最大の武器であり掘になります。
今後幾つもイノベーションを実現する企業が現れると思いますが、それらの企業が評価され成長する事で人類の大きな進歩につながりそうですね。