任天堂の看板キャラクターが主人公の映画が世界中で大ヒットしていますが、実は批評家の評価は高くなく観客との評価に大きな乖離があります。
現在米国製の映画やゲームでは原作に改変を加えて顰蹙を買うケースがあるなかで、シンプルな内容の映画で高い売り上げを上げたことは他業種の企業にも売り上げを上げるヒントになりそうです。
今回は一般家庭向けの製品・サービスを提供する企業にとって大衆受けする事の大切さについて考えていきます。
①専門家は少数だから
理論的な正しさやスペックで見ると優れた製品でも、扱いさすさや価格面で劣ると市場からの退場に追い込まれる事があります。
例の1つとしてゲームハードの歴史を見ると高スペックなハードの方が負けていて、PCーFXや3DOのようなハードは人知れず市場から消えていきました。
ヌルヌル動く映像美や必要以上の画素数、単三乾電池6本を使ってカラー液晶を実現するなど専門家からは賞賛されそうな要素は、手軽に色々なゲームを遊べるというシンプルな要素に敵わないのです。
これは少しマニアックな例になってしまいましたが、専門家に売るような突飛なものを一般大衆向けに販売する企業は後を絶ちません。
②思想を押し出している事があるから
企業にとって顧客の需要を把握することは最も重要で、冒頭の任天堂の映画で言うと分かりやすいストーリーラインの中で主要なキャラクターを活躍させるという基本を守ったことが楽しめる作品になった要因だと思います。
これがただチェック欄を一つずつ埋めるように米国でよくある改変を行うと、少なくとも既存のファンは離れてしまうでしょう。
批評家や特定の団体の評価ではなく顧客の方を向いてサービスを展開する事が重要ですね。
③時代の流行に左右されるから
大衆受けしない製品は性能や方向性を尖らせている場合が多く、時代の流行り廃りによってロングセラー製品になりにくくなります。
著名な投資家のバフェット氏は時代に左右されない企業の例としてコカ・コーラ社を挙げる事があり、人類の歴史の中で発売されたどの黒い炭酸飲料よりも大衆向けでメジャーなイメージを作り出したのは大きな功績だと思います。
技術は日々進化していく中で人間が求め続ける部分を見つけ出す事ができれば、数百年続く企業になれるのかもしれませんね。
まとめ
よほどお金持ちや特殊な層向けの製品でない限り、大衆に受ける製品の方が良い結果を産む事が多いです。
株を持っている会社がこれまでと別の方向に舵を切った時、意図せずニッチな層に向けて進んでいる時があるので客観的な視点を忘れないようにしたいですね。