ネコート式のんびり長期投資

のんびりと高配当株に長期投資していきます

デフレマインドが役に立つケースを考える

日本はバブルが崩壊して30年以上デフレが続いていたためすっかり節約思考になり、その思考が更に経済を鈍化させるという悪循環が続いていました。

 

ただ現在世界各国の中央銀行は急激なインフレを食い止めるために金融引き締めに動き、利上げを行うなど対応に追われていて、むしろ経済を減速する方法を模索しています。

 

今回は日本人に染み付いてしまったデフレマインドがインフレ問題解決にどう役立つか考えていきます。

デフレマインドの意味と悪い理由

デフレマインドとは先の暗いデフレ環境で生まれた節約や貯蓄を積極的に行う思考の事で、日本では90年代中頃からこの思考が蔓延り若いうちから老後に備えるという考えも生まれる始末でした。

 

しかし誰かの支出は他の誰かの収入になるので、みんなが節約をしてしまうと企業の実入りが減り、社員に払う給与も上げられなくなるので結果的に経済全体が停滞しデフレがいつまでも続く恐ろしい事態になります。

 

物価上昇率は2%程度で推移すると健全に経済が成長するとされていますが、1992年から2022年までの期間にインフレ率が2%を超えたのは2回しかなくマイナスになる年も珍しくない状況が続いていました。

 

結果的に日本の経済政策や国民の支出傾向は欧米で日本化(Japanificacion)として恐れられ、デフレにより経済が悪化した代表として紹介されるという非常に不名誉な状態になってしまいました。

デフレマインドが良い効果を発揮する

インフレ環境ではお金の価値が減少していくため手元にある資金を物品や資産に変換するのが良作で、次第に借金をして経済資源を活用し収入を更に増やすという動きも活発になります。

 

ただ現在のインフレは給与水準上昇主導でなく他国の原料費等の上昇によるコストプッシュによるもので、日本の様に輸入に頼る国にとってはコントロールが難しい面もあります。

 

それでも30年培ってきたデフレマインドを発揮すると給与水準の上昇を期待しないので不要な買い物をしなくなり、株や不動産の値上がりを期待しないのでレバレッジを利用した取引も盛んに行われなくなるためインフレ抑止に一役買いそうです。

 

また現金比率を高く維持すれば他国が不況に陥っても冬眠時の熊の様に凌ぐ事ができ、後に景気が回復すれば失業者や廃業する会社を少なくできます。

デフレマインドが裏目に出るケース

ただ人は不安を覚えるとなかなか抜け出せないので、とっくにインフレが収まっているのに景気が減速し続ける可能性もあります。

 

またコストプッシュインフレで支出を削減していくと、給与は伸びないのに物価は上昇するスタグフレーションという状態になり、状況が更に悪化する場合もあります。

 

そのためメディアや国からの要請で貯金や節約を奨励するのはリスクが大きく、自国が日本化するリスクを背負うよりは利上げ等の対策を行うのが普通ですね。

まとめ

未来を悲観するデフレマインドは社会全体でその傾向が続くと経済に悪影響を与えますが、国や企業、一般市民が程よくそのマインドを持っていればインフレ問題解決の手助けになりそうです。

 

ただ消費にネガティブなイメージを持つ人が増えるとそのままデフレに突入してしまう可能性があるので、中央銀行や政府は購買力を維持しつつインフレ率を調整できる手段を講じて欲しいですね。