米戦争研究所によるとロシアは4月に116㎢の占領地を失い、ウクライナがクルスクに侵攻して以降初めて1ヶ月単位で占領地が減少したことになります。
今回はその要因と今後も同様の戦果が残せるかどうか予想します。
①通信の問題
ロシア軍が弱体化した1番大きな問題はスターリンクを使えなくなった事で通信が不安定になり、部隊間の連携が取りにくくなった事が挙げられます。
この問題は攻撃時にも起こりますがウクライナ軍の反攻時に問題がより大きくなり、情報がリアルタイムでやり取りできないので砲撃やドローンによる反撃の効果が小さくなりました。
またテレグラムの様な通信アプリもロシア当局の規制により使用が難しくなっていますが、作戦上で使われていたケースもあった様なので、自分の首を絞める様な状況になっています。
②後方での兵力消耗
ウクライナ軍は以前から石油精製施設や戦闘機の様な高価値目標を長距離攻撃で破壊していましたが、ここ数ヶ月はロシア占領下の兵力集結地や指揮所、ドローンオペレーターの拠点への攻撃を増やしている印象があります。
これらの攻撃で単純に兵力が前線に出る前に損耗するだけでなく、兵士の補充再配置に時間がかかるため攻撃計画を狂わせる事ができます。
また大きな部隊で行動する場合ハイマースの様なより高火力な攻撃を受けたり、偵察ドローンやパルチザン組織に発見されるリスクも高まるためロシア側は兵を分散して配置する必要があります。
③兵の質の差
ウクライナに現在存在するロシア軍は約68万人ですが、これまでの兵士の損失は130万人ほどなので、かなり早いサイクルで兵士を補充している事がわかります。
戦争開始から4年以上が経ち士気も経験も高い兵士が少なくなり、アフリカなどから連れてきた言葉の通じない兵士や傷病兵、囚人兵、学徒などを動員する事態に陥っています。
また1ヶ月あたりの損失人数は3万人〜3万5千人で、これは動員可能人数とほぼ同じか少し多いくらいの水準なので、今後動員が上手くいかなければロシア軍全体が縮小します。
まとめ
開戦時はソ連時代の兵器が多くあり兵力も充実していたロシアでしたが、数々の失策により現在では戦車の大部分を失い通信も満足に繋がらず兵士の質も低下しています。
今後も問題が解決せず大幅な動員など対策を講じられなければロシアは大きな前進は見込めず、プーチン氏が寿命を迎えるまでにウクライナに傀儡政権を建てる事もドンバス占領も叶わないでしょう。