ロシアは去年末から今年の初めにかけてウクライナの要衝ポクロフスクとミルノフラドを制圧し、ドネツク州の大きな都市は北部の3都市(スラビャンスク・クラマトルスク・ドルジュキーウカ)を残すのみとなりました。
そこで今年のロシア軍は春の終わりから3都市への攻撃を計画していた様ですが、ウクライナ軍の反攻により戦局は大きく動いているので、今回は先月からの両軍の動きについて見ていきます。
ドネツク州の3都市

↑3都市のある程度の位置
赤線は前線位置(毎日動くのでおおよその位置)
3都市は侵攻前の人口がスラビャンスク13万人、クラマトルスク15万人、ドルジュキーウカ5.5万人規模の都市で、比較的人口が多いと言えます。
(参考ポクロフスク:6万人)
この3都市を守るのに重要なのが南東部に位置するコンスタンチノフカ(人口約10万人)で、ロシア軍と市街で激戦を繰り広げていますが、ウクライナ側も上手く守っているため何度も撃退されています。
ですのでロシア軍は同時に東のルハンスク州方面からの攻撃を企図し、泥濘期が終わる4月までに3都市への距離を詰めようとする動きがありました。
ウクライナ軍の反攻
しかし2月の初め、米国がロシア軍にスターリンクを使えない様にした事で通信に混乱が生じ、南部の戦線でウクライナ軍はクルスク侵攻で活躍した第82及び第95空挺強襲旅団を始めとする精鋭部隊による反転攻勢が開始されました。
結果的に約1ヶ月で約400㎢の領土を奪還しつつ10以上の集落の解放し、ドニプロペトロウシク州から殆どのロシア兵を追い出す事に成功しました。
更に奪還を進めていく動きを見せたため、3月8日頃ロシア軍は東から精鋭の第76空挺師団と3個旅団規模歩兵、相応規模の車両を援軍に送った事でこの方面では激しい攻防が行われ前進は食い止められました。
狂わされるロシア軍の計画
ロシア軍はウクライナの反攻をある程度抑える事に成功しましたが、その代わりにここ1ヶ月でスラビャンスク東からの攻撃は殆ど停止しました。
南部の戦いに攻撃能力の高い部隊を守備要員として援軍を送ったのが1番の理由で、更にウクライナ軍がポクロフスクの北西方面やスラビャンスク東の集落など複数の場所で小規模な攻撃をしている情報があり、ロシア側は対応のため予備兵力を振り向けさせられている様です。
当然今後無理矢理攻勢が開始される可能性もありますが、通信の問題があり兵力が少ない状態で大きな攻勢を行うと失敗した時取り返しがつかなくなるので、逆にウクライナ側にとってはチャンスを掴めるかもしれませんね。
まとめ
ウクライナの南部攻勢によりロシアは東部の部隊を守備に使う様強制され、攻撃計画に支障が出ています。
また最新の情報ではスラビャンスク東で小規模な反撃に出ている映像もあり、今後も色々な箇所で牽制攻撃を行えばその度に対応を強制できそうですね。