米スペースXは2月5日衛星通信サービス「スターリンク」をロシア軍にアクセスできない様にし、一部のロシア軍に深刻な混乱が見られました。
今回はこれによる前線での変化と、今後の影響について考えていきます。
大きく変化のあった地域
スターリンクが利用できれば偵察情報をドローン部隊に伝え数分で攻撃に移れたり部隊間の連携もスムーズに行えますが、他の手段だと通信が切断されたり遅延する事もあり攻撃の精度が落ちます。
この影響が特に大きかったのはドネツク州の西にあるオレクサンドリフカからフリャイポーレの間にある平野部で、ウクライナは限定的な反撃作戦により11日からの5日間で201平方キロを奪還したとされています。
ウクライナ側の発表ではこの地域の攻撃は限定的なもので奪還を企図していないとの事ですが、他の地域のロシア軍をこの戦略的にさほど重要でない地域に呼び込む事ができるかもしれません。
ロシア側の対応
ロシア軍はウクライナからスターリンクに接続された端末を入手したり、ウクライナ人捕虜の家族にスターリンクと契約させるなど色々な手段を使っています。
また気球型5G中継局を打ち上げる試験を行い通信を安定させる試みも行っている様ですが、こちらも長期的に見て持続的な対応策ではないと思われます。
結局のところスターリンクの様に安定した通信手段を確保するのは難しく、通信の安定性においてウクライナに大きく遅れを取る展開が続きそうです。
今後の展望
通信面ではウクライナ側が優位に立っていますが、そもそもロシア軍は兵力と物量が圧倒的なので戦力差を埋める事はできていません。
それでも本来の進軍ペースよりも遅れる事は期待でき、クレムリンの思い描いた計画は後ろ倒しになると思われます。
個人的には今年はスラビャンスクとクラマトルスクに向けロシアが進軍する展開になりそうですが、平野部を進む上で通信の困難は大きな問題になりそうなので、ロシア側の対応に注目したいですね。
まとめ
スターリンクが利用できなくなった事でロシア軍は混乱し、ポクロフスクの南西にある地域でウクライナ側が領土を奪還する事ができました。
それでもロシア軍とは戦力の面で大きな差があるので、今後も引き続き守りながら兵力を少しづつ削る必要がありそうですね。