ロシア経済はウクライナ侵攻の初期段階では戦争経済の影響で好況となり23年と24年はGDPの成長率は4%ほどでしたが、25年は0.9%に留まり大きく失速しました。
今回は成長に陰りが見えてきたロシア経済が今年マイナス成長に陥るための要素を考えていきます。
戦争の激化
ロシア軍は攻撃が激しい日は1100〜1300人程度の兵員を損失し、前線をただ維持するだけでも1日に800人程度の兵員を損失しています。
つまり単純計算で攻勢を激しくしたいなら年40万人、少なくとも年30万人程度を前線に送り込む必要があり、疲弊している地方の人に代えて都市部の人を徴収するとコストが嵩みます。
そして本来なら一般社会で活躍し製品を製造しサービスを生み出し、誰かの親になるはずだった人を失う事で経済成長の原動力を失います。
個人的な予想では去年のロシア軍は重要拠点を殆ど占領できなかった事から、今年は勝負をかけてポクロフスクやコンスタンチノフカを取ろうとし、経済を疲弊させても兵員の募集も積極的に行うと思います。
悪化を続ける石油産業
ロシアの石油産業は精製施設、鉄道などの運搬用インフラなど原油を輸出するまでのあらゆる過程でウクライナ軍の長距離攻撃の標的になっています。
更に今年に入ってからロシアの影の艦隊と呼ばれる制裁逃れのタンカーが西欧諸国に拿捕されるケースが目立っていて、地中海や大西洋など広範に及んでいます。
これらの要因に加え原油安も加わりロシアの今年1月の石油収入は前年同期比で半減し、石油精製施設の稼働状況次第では更に落ち込む可能性も十分に考えられます。
国民の消費傾向
ロシアでは週休3日制の導入やボーナスの廃止など給与を引き下げる取り組みを行ったり、地方都市では歳入が急減して給与の支払いが先送りになるケースもあり企業も家計も苦しい状況になっています。
また今年からインフレを抑えるため日本の消費税にあたる付加価値税が20%から22%に引き上げられ、生活インフラも整っていない地域もあるというのに高福祉国家並みの税率水準になっています。
こういった状況が続くと消費の減少から更なる経済の悪化を招いてスタグフレーションに陥り、仮に戦争が終わっても経済を立て直すのに時間がかかるかも知れません。
実際にはプーチン氏はロシア軍が短期間で押し込めると信じていて戦争を継続する姿勢を崩していないため、最悪の場合マイナス成長どころかソ連末期の様にある日経済が心停止するかもしれませんね。
まとめ
ロシアは戦争の継続により本来なら経済を支え誰かの親になるはずだった人を失い、ウクライナの攻撃と欧米の制裁により石油収入も減少しています。
また経済はただでさえ解消が困難なスタグフレーションに突入しているのに根本原因の排除を誰も口にできないので、今年のロシア経済は景気後退期に突入すると思います。