ロシア占領下のドネツクではロシアによるダムや水道インフラの破壊により殆どの貯水地に水がない状況に陥っていて、住民は深刻な水不足に苦しんでいます。
今回はこの水不足により住民感情や経済に与える影響について考えていきます。
水不足の原因
ドネツク州がロシアに編入された2014年以降紛争により上下水道施設が被害を受け、川に水を汲みに行かないといけない地域が発生しました。
またロシアの言う特別軍事作戦が始まった2022年以降ドネツク州の幾つかのダムが破壊されシベルスクなど北部地域からの送水菅も切断されてしまったため、川や貯水地の水も干上がるという深刻な水不足となりました。
水不足はクリミアなど他の地域でも発生していますが、ドネツク州は激戦地が多く戦線が膠着する傾向があり、ウクライナ軍が反転攻勢を仕掛けた時もダムを破壊して時間稼ぎをするケースもあったことも事態の深刻化に拍車をかけました。
またロシアは運河に水を送るための治水工事や浄水設備を建設する計画がありましたが、リソースや予算の問題があるのか工事は一向に進んでおらず状況改善の目処は立っていません。
衛生・環境への影響
水が手に入らない事で飲料水だけでなく下水も機能しておらず、ゴミの収集も満足に行われていない事もあって衛生環境が日々悪化しています。
衛生環境悪化により通常なら最貧困国でしか発生しない様な疫病も流行していて、今後住民の流失や乳児死亡率の悪化も懸念されています。
またこの状況が続けば土壌が汚染され鉱業など主要産業に影響が出る他、黒土地帯でも農業が難しくなりそうです。
住民感情
ドネツク州の住む元のウクライナ住民はロシア系の方も多く、ウクライナの政治に不満を持ちロシアへの編入に肯定的だった方もいたかもしれません。
ただロシアは占領地の治水よりも侵略により領土を獲得する事に執着しているためドネツクの住民は渇きに苦しんでいて、最近ではロシア政府に向け状況改善を嘆願するメッセージを送っているにも関わらず状況は変わりません。
この状況が続けば占領地の反ロシア感情が高まる他、現在のウクライナ人の抗戦意欲も高まる事が予想でき、ロシアはより厳しい戦闘を強いられる可能性がありそうですね。
今後の予想
今後もロシアはゆっくりと占領地を増やしていくと考えられますが、占領地にはそこに住む方がいるのでインフラを整えたり自ら撒いた地雷を撤去するなど様々な事をする必要があります。
もしこのまま占領地を放置すると政府への不満が高まり過激なデモや反乱に繋がる可能性があり、そうなれば今よりも治安維持部隊を多く送らなければなりません。
歴史的に見ても欧州では植民地の維持にコストがかかって疲弊した帝国や、不正義な侵略と占領地政策の失敗から崩壊に繋がったケースもあるので、ロシアが過去の教訓から何かを学んでいるか注目したいですね。
まとめ
ロシア占領下のドネツクでは住民が満足に水を手に入れられない状況が続いているにもかかわらず、ロシアは状況を改善するための手を打たず占領地の面積を増やす事に執着しています。
プロパガンダが上手いロシアでもこの環境の酷さは誤魔化せられないので、ロシアはもう少し占領地政策を見直すべきかもしれませんね。