ウクライナの気候では春と秋に雨が多く降る泥濘期があり冬には厳寒期があるため、今の様な夏の時期が攻勢に適していると言えます。
よって現時点でのロシア軍の作戦を観察する事で優先順位が高い目標がわかるので、今回はロシアの作戦と攻撃手法について見ていきます。
ロシアの主攻方面

↑ドネツク州の主要都市(位置はざっくり)
ロシアは南東部ドネツク州にある要衝ポフロフスクを狙って去年の夏頃から攻勢を仕掛けていましたが、ポクロフスクの南部は防御が硬いと見たのか北東部から回り込む作戦に切り替えています。
またポフロフスクの東にあるコンスタンチノフカの周辺地域でも時間をかけて攻撃を続けているので、ポフロフスクのみに防衛力を集中する事ができなくなっています。
今年の夏はこの2つの都市と都市に繋がる高速道路の様な補給線をいかにして守るかが重要で、仮にこの2都市が陥落すればドネツク州の完全占領に向け大きな足掛かりを作られてしまいます。
ロシアの新戦術
最近のロシアは戦車や装甲戦闘車を使用した機械化攻撃はあまり行わなくなり、代わりにオートバイや電動スクーターを使った攻撃が盛んに行われています。
理由としては戦車は車体が大きいためドローン攻撃の格好の的となり、1機のドローンで履帯や砲身が損傷すれば撤退を余儀なくされ、3〜5機のドローンが連携すれば撃破される可能性もあります。
一方オートバイは的が小さいのでドローンで簡単に撃破するのは難しく、電動スクーターは軽いので悪路の場合兵士が手で容易に運ぶ事ができるというメリットがあります。
こういった生還が期待されていない部隊が囮となってウクライナ軍の防御体制を把握し、後から砲撃やドローンで陣地を叩き熟練の部隊が乗り込むという作戦が上手くいっており、ウクライナ側は対策を講じる必要があります。
個人的な懸念点
アウディイウカでの地下からの攻撃やクルスク占領地で行われたガスパイプラインを使った攻撃など、ロシア軍は通常の正規軍では考えられない攻撃をする事がありました。
今回のポフロフスク周辺での攻防戦でも何かしらの特殊作戦を行う可能性があり、上手く攻撃がはまるとロシア側に大きな出血がないまま都市を奪われる可能性があります。
ですので、少なくとも地下の下水道から簡単に侵入されない様にするなど過去の教訓を活かして防衛する事が重要になりそうですね。
まとめ
東欧では夏以外には攻勢の条件が整わない事もあるので、今の時期は1年で最も気が抜けない状況になっています。
逆に言うとロシアはドネツク州以外では大きな前進を狙っていない様に見えるので、ポフロフスク周辺を長く守ればロシアの作戦計画を大きく狂わせる事ができそうですね。