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関税政策と先進国の製造業について考える

トランプ大統領は様々な輸入製品に関税をかけ国内の産業を守ろうとしていますが、先進国の製造業は構造的に不利になる場合もあり、この政策が上手くいくかは分かりません。

 

今回は先進国の製造業が抱える課題を考え、関税政策がどう影響するか考えていきます。

雇用コスト

製造業は高度成長期の日本や少し前の中国など雇用コストの安い新興国に有利になり、先進国ではブランドを活かすなど付加価値の高い製品を製造する事が求められます。

 

ですので単純に関税政策を行っても他国の安い製品に対抗できるかは不透明で、製造業を伸ばしたいなら地道に人材の育成に時間をかけたり技術を磨いて効率化を進める方が良いかもしれません。

 

米国は国内であらゆる製品を製造する事ができますが、輸入に頼った方が効率が良い製品もあるので関税をかける品目を慎重に考える必要がありそうですね。

省人化

現在の製造業の現場は産業ロボットにより省人化が進んでいて、組み立てや品質チェックも自動化が進んでいます。

 

こういう状態では1人の技術者が数百人の労働者に匹敵する労働価値を生み出す可能性を秘めているので、将来的に製造業に従事する人数は減少すると考えられます。

 

そうなると仮に関税政策が上手くいったとしても利益を受け取れるのは少数の労働者だけとなり、多くの国民には他国の報復関税によりデメリットのみを被る可能性もありそうですね。

今の稼ぎ頭

米国の現在の経済を引っ張っているのはIT技術やソフトウェアの分野で、最初は小さなオフィスで生まれたアイデアが何十万人もの雇用を生み出す場合もあります。

 

例えば検索エンジンを世界中に提供する企業は使った事がない人はほとんど居ないほど優れていて、ユーザーに応じた広告を表示する事で企業と顧客を繋ぎ大きな利益を上げています。

 

ただ関税政策により他国との軋轢が生まれると市場で圧倒的なシェアを誇っているサービスの地位が脅かされる可能性があり、結果的に国内の製造業を守るための政策で全体の利益と信頼を落としてしまうかもしれません。

 

日本の古い考え方を持った人の中にも景気が良かった時代の製造業を神格化している方がいますが、国家の発展とともに重視すべき産業が変わる点を理解するのは重要かもしれませんね。

まとめ

先進国の製造業は人件費の差などの理由で新興国と比べコストパフォーマンスが劣る場合が多く、この差を埋めるにはブランドを利用するなど工夫が必要になります。

 

トランプ氏の関税政策は国内の産業を守る狙いがあると思いますが、他国と関税の掛け合いになったり政策の方向性が変わる事で信用されなくなるリスクの方が重くなるかもしれませんね。