トランプ氏が米国の大統領に就任して1ヶ月ほどが経ち、関税や原油生産政策など1つ1つの発言で各市場が大きく動揺する状況が続いています。
今回はその中でもウクライナ情勢について、大統領就任後のトランプ氏の発言から今後の展開を予想していきます。
①ウクライナへの支援について
トランプ氏は大統領就任前の段階では早期に戦争を終わらせるという趣旨の発言が多く、西側諸国からはロシアに有利な状況で終戦交渉を始めるという悪いシナリオを予想する識者もいました。
ところが蓋を開けて見ると軍事・資金面の支援はウクライナに眠っているレアアースを提供する事で継続される見通しとなり、一応最悪のシナリオは避けられました。
またトランプ氏はここまで欧州の戦争であるのに米国一国の負担が大きくなっている状況に不満があるようで、欧州各国により積極的な支援を求めています。
②ノーベル平和賞
これは有名な話ですがトランプ氏は前政権時にノーベル平和賞を取れなかった事を悔やんでいて、イスラエルの問題について話す時など頻繁にこの事について言及している事がわかります。
もしプーチン氏の野望が全て叶う様な展開になると明らかにノーベル平和賞は取れないので、ゼレンスキー大統領からするとトランプ氏のこの望みを理解していくことが今後の運命を決定づけるかもしれません。
現実的にはロシアの疲弊を誘い相手側からの休戦を引き出せれば御の字で、領土をある程度取り戻しウクライナが2度と戦争に巻き込まれない状況を作り出せれば彼の望みも叶うかもしれません。
③終戦計画
ウクライナ情勢に関して重要な会議が今月14日から開催されるミュンヘン安全保障会議で、戦争の凍結への道筋やウクライナの安全保障について話し合われます。
この会議でどういう議論が行われるかはわかりませんが、重要な事は今行なっている事を粘り強く続けロシアに人的・経済的な負担を強いてウクライナに少しでも有利な状況を作り出す事にあります。
また停戦交渉が上手く行ったとしても停戦の数日前には領土を確定させるために激しい戦闘になる事が予想されるので、ウクライナの将兵が最後まで防戦に努め彼らの故郷を守り通せる様祈りたいですね。
まとめ
トランプ氏は過激な発言の裏で不動産王らしい理性的な損得勘定を行う人物で、ゼレンスキー大統領の交渉次第で大きな味方にする事ができます。
また今月のミュンヘン安全保障会議はこの戦争を終わらせるきっかけを作る可能性があるので、会議の内容が明らかになる17日以降の報道にも注目したいですね。