食品会社や小売店が商品の値段を上げずに個数を減らしたりサイズを小さくする事をステルス値上げと言いますが、消費者から批判される事も多く普通の値上げをした方が良いのではないかという指摘もあります。
今回は現代社会でステルス値上げを行うデメリットについて考えていきます。
ステルス値上げの種類
原材料や輸送費の高騰により食品業界では商品の値段を上げざるを得ない状況に置かれているのですが、消費者の不満を抑えつつコストを下げるために考案されたのがステルス値上げです。
内容量や個数を減らす一般的な方法以外にも様々な手法が開発されていて、次に示すような自治体の消費者条例に抵触する様なケースもあります。
1、アゲゾコ
包装容器の底を上げる
2、メガネ
包装容器に切り抜きをいれ、外から見える部分のみに内容物を入れる
3、十二単衣
包装を何重にも重ねる事で内容物を小さく抑える
企業イメージ
現在では多くの企業がステルス値上げを行っているとはいえ、リニューアルと称して露骨にステルス値上げを繰り返すと消費者に悪いイメージを持たれやすくなります。
例えば「アゲゾコ」という4文字を見た瞬間にあるコンビニ名が浮かんだという方がいるかもしれませんが、これがまさにステルス値上げの弊害で一部の商品のせいで全体のイメージが悪化し結果的に売り上げに響いてきます。
一方で値上げを発表した例で個人的に好感を持ったのが赤城乳業のガリガリ君が60円から70円に値上げするCMで、社員を引きで映して頭を下げるだけのCMなのですが内容量を変えずに値上げを正直に伝える姿勢が素晴らしいと感じました。
SNSによる拡散
現在は殆どすべての人がスマホという情報発信ツールを持っているので、中にはステルス値上げを目撃するとその情報をSNSに発信する方も出てきます。
そしてネット上には批判できる事をひたすら求めている方や情報を拡散する事を得意にしている方がいるので、相乗効果でネガティブな情報はあっという間に広がってしまいます。
そんな時代では下手に小細工をするよりも誠実に商売をするという至極真っ当な経営が評価されるので、クオリティの高い高価格商品を打ち出すなどしてSNSでポジティブな印象が拡散させる事を期待する戦略が正攻法なのかもしれませんね。
まとめ
食品業界では原材料費の高騰により、コストをどう下げ販売価格をどう引き上げるかが課題となっていて、単純に値上げをしたりステルス値上げをして調整を行なっています。
ただステルス値上げをやり過ぎると企業全体のイメージダウンに繋がり売り上げにも響いてくるので、小細工を工夫するのではなく魅力的な商品を開発する事に専念し誠実に経営を行う事が大切ですね。