今月初めの大統領選でトランプ氏が勝利を収め、米国経済の活性化や外国に対する関税など様々な公約について期待が寄せられています。
一方でトランプ氏は以前からウクライナ戦争を早期に決着させるという主旨の発言をしていて、ウクライナにとって不利な停戦案を提示したり支援を打ち切る可能性もあります。
今回はトランプ氏が大統領選になってウクライナに起こるポジティブな面とネガティブな面の両方を見ていきます。
ウクライナにとって不利な停戦案
現在ロシアはウクライナの東部2州と南部2州の占領を狙っていて、最悪のシナリオとして即時停戦にはこれらの州をロシアに明け渡す必要があります。
ここまで譲歩してしまうと西側が行ってきた支援もウクライナ将兵が流した血も無駄になってしまうので、現在の前線を国境線にするなど妥協案もありそうですがそれでもウクライナ国民は納得しないでしょう。
トランプ氏は良くも悪くも先の行動が分からない人物なので現政権と同じ様な支援を継続する可能性もありますが、早期休戦案を持ち出してくるとNATO加盟国にも動揺が広がりそうですね。
トランプ氏がもたらすメリット
トランプ氏は米国経済発展のため石油や天然ガスの生産拡大を進める方針をとっていて、これに他の原油国も対抗すれば原油価格の暴落に繋がる可能性があります。
ロシア産石油の採算ラインが1バレル=40ドル程度なので、原油価格がロシアが石油を売るのを辞めず逆に利益も出にくい1バレル=50ドル程度のラインに収まればロシア経済はかなり混乱しそうです。
またトランプ氏は中国の輸入品に60%の関税をかける方針で、それにより中国が弱体化したり目立った行動を避けたい中国がロシアとの貿易を縮小させる様な展開になればロシアの物資不足が加速する可能性もあります。
まとめ
トランプ氏の当選はNATO諸国に警戒されていましたが、打ち出す政策によってはウクライナに有利に働く可能性もあります。
行動の予想が立たないのは前政権の時に分かっている事なので、良い方向でサプライズが起こる事を祈りたいですね。