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中国の渡航危険レベルについて考える

外務省の海外安全ページでは、世界の国の渡航危険レベルを安全な白塗り(レベル0)のエリアから退避勧告を行う赤色(レベル4)のエリアまで色分けして表示されています。

 

この地図によると9月中旬時点で中国の渡航危険レベルは新疆ウイグル自治区チベット自治区でレベル1、他は安全な白塗りのエリアとされていますが、最近中国で邦人に対する刺傷事件があった事もありこの表示を疑問視する声が挙がるなど注目されています。

 

今回は中国の渡航危険レベルについて中国の国内情勢や法律などに注目して考えていきます。

反スパイ法の存在

中国では反スパイ法という外国のスパイを取り締まる法律がありますが適用範囲が不明瞭で、例えば中国国内で発行されている地図を持ち出したり、政府の施設など特定の場所で写真を撮るだけで拘束されるリスクがあります。

 

外国に行く時はその国の法令を予め学ぶ事でトラブルを避ける事ができますが、関連する法律は軍事施設保護法や測量法など多岐に渡り、明文化されていない犯罪もあるため判例もできる限り理解する必要があります。

 

実際に製薬会社A社の社員が公開されていない理由で当局に拘束された例もあるので、企業の進出時だけでなく観光で訪れる際も十分な対策が必要です。

対日感情

中国では過去の歴史認識により複雑な対日感情を持っている方がいて、外見では判断できない危険な考えを持った方から嫌がらせを受けるなどトラブルに発展する可能性があります。

 

特に虚構橋事件があった7月7日や終戦記念日の8月15日、抗日終戦記念日の9月3日などには過激なデモや集会が発生する可能性があるので、訪中の日程を選べるのなら特定の記念日を避ける事も重要になります。

 

また、日本人という理由で普段からタクシーへの乗車拒否やホテルへの宿泊拒否をされる場合もあるので、常に一定の反日感情を持った方がいるという心づもりで過ごす事が重要になります。

現在の渡航危険レベルは適正か?

中国は沿岸部の都市部はセキュリティがしっかりとしていて先進国並に安全な一方、地方の内陸部は比較的反日的な感情が残っていて日本人旅行者が訪れるには安全とは言い切れません。

 

また今日触れた中国特有の法律などを考えると個人的には全土が渡航危険レベル1(十分な注意が必要)に引き上げられるのが妥当だと考えられます。

 

参考として中国への訪問について他国の評価を見てみると米国ではレベル3(渡航の再考を求める)、台湾でもレベル3(不必要な渡航を避けるよう勧める)としていて日本と比べて厳しい見方を持っている事がわかります。

まとめ

中国は歴史的な史跡や多様な文化が魅力的な国ですが、法律や国家の考え方が少し特殊なので十分な知識を持った上で訪問する事が重要になります。

 

少なくとも明らかに危険なデモや集会に近づいたり反日感情が高まりやすい日に訪れない様にし、できるだけトラブルに合わない工夫をしたいですね。