ネットやテレビのCMで通称「みんなで大家さん」と呼ばれる商品を販売していた都市綜研インベストファンド株式会社に対し、大阪府は30日間の業務停止命令を出し界隈で話題になりました。
今回は営業社の上記企業と販売代理店「みんなで大家さん(株)」の特徴と問題点について紹介し、今後の代替案について考えていきます。
みんなで大家さんについて
みんなで大家さんは不動産から得られる賃貸利益を分配原資とする不動産投資商品で以下のような特徴があります。
①日々の価格変動がない(年1回評価額を算定)
②年6.0%〜7.0%の利回り
③申し込み手数料無料
④年6回の分配
⑤出資単位は100万円
⑥3年から5年の短期運用
⑦過去1度も想定利回りを下回らなかった
⑧優先劣後構造により元本割れしにくい
一見すると不動産投資信託(REIT)に近い投資商品の様に見えますが、カタログスペックだけを見ると格付けの高い債券並の安定感と超高配当株並の利回りを実現している通常ならば存在し得ない商品に見えます。
特に⑧の優先劣後構造により出資者が80%の優先出資という形をとっているため、下落率が20%を越えない限りは元本評価に影響が出ないようになっていて、得られるリターンに対しリスクが低すぎる印象を受けます。
総合的に見て通常の株式や債券の市場には存在せず、不動産業界でも諸々の費用を差し引いてこの利回りを実現するのは殆ど不可能と言えます。
今回問題になった件
今回問題になったのは成田空港近くの土地について開発許可を得ていない土地を販売対象にし、それに関連する説明を出資者に行わなかった事が挙げられます。
この土地の利用計画については、昨年も当初は訪日外国人向けの観光施設を建設しようとしていたのに食品産業の関連施設に内容が変更された問題があり、その時も出資者への説明はなく不誠実な対応をしていました。
出資者からすると投資している商品が配当を出すためにどういう方法で利益を上げるかは最も重要な情報で、ここが不明瞭というのはポンジスキームの様な詐欺商品と混同されても仕方ない様に思えます。
詐欺商品かどうか
利回りの高さとリスクの低さが全く釣り合っていない点が過去のポンジスキームと呼ばれた商品と似ているため、十分に注意を払う必要があります。
また詐欺商品の中には元本保証を誤認させる文言があったり、商品性が事前の説明と全く異なるケースもあるため一般の商品と明らかに異なる商品は避けるべきです。
現在では個人の投資家でも情報の透明性が高い上場株式や債券、投資信託を買う事で投資ができるので、よほど非上場の商品に詳しい方以外は無理せず普通の商品を活用したいですね。
まとめ
CMで見かける商品の大部分は良い商品が多いですが、中には詐欺商品が混ざっている事があるので実際にお金を払う前に商品性を理解する事が大切です。
中でも詐欺投資商品は初心者が思わず食いつきたくなるような低リスク高リターンの商品が多いので、安易に飛びつかない様注意したいですね。