欧米諸国はロシアのウクライナ侵攻以降ウクライナへの支援をしていますが、国によって支援兵器の種類に制限をかけたり使用範囲の方針の足並みが揃わない状況が続いてきました。
現在では比較的充実した支援が再開しているものの、一時は米国の支援が止まった事で深刻な砲弾不足や防空能力の低下を招きました。
今回は西側の弱腰とも取れる姿勢を見せている理由と、相手の顔色ばかりを気にするデメリットについて考えていきます。
戦争激化の懸念
西側諸国はロシアの凍結資産が生んだ利子の利用したり西側兵器による越境攻撃により戦争が激化する事を恐れていて、これまでもウクライナがロシア占領下のクリミアに攻撃したり国産ドローンでインフラ施設を攻撃した時もロシアは声明で釘をさしてきました。
これはおかしな事で戦争中に敵国の軍事施設を攻撃するのは自衛権の範囲なので認められるべきにもかかわらず、ロシアと比べて領土が小さく人口も少ないウクライナが攻撃を制限されているのはフェアとは言えません。
ロシアに遠慮して越境攻撃を躊躇しているとロシアに主導権を取られるだけでなく、武力による領土侵攻を正当化してしまう意味もあるので、西側は腹をくくって長期的な支援をするべきでしょう。
戦争の長期化
どちらも相手を倒しきるだけの力を持っていないので、今後も夏季にどちらかが攻勢をかけ冬季や泥濘期には遠距離攻撃をしながら準備をするという事が繰り返されるという長期戦が予想されます。
戦争が長期化すると勝敗を決定する要因は様々で生産力や国民の戦争支持などの要素が絡んできますが、ロシアへの制裁やウクライナへの支援が不十分であれば軍事大国であるロシアが有利になりそうです。
またロシアは領土への執着が非常に強く、10年前にクリミアと東部2州の一部を失ったように今回の戦いでも領土を失った状態で休戦してしまうと、数十年単位の長い時間を使って全土の占領を目指す可能性もあります。
このように危険な相手に長期戦をさせないためにも、西側諸国は戦局を決定的に変化させられる様な兵器の供与に踏み切るべきでしょうね。
新たな戦争の火種
ロシア一国でも大きな脅威ですが、ロシアの企みが成功してしまうと領土的野心を持った他の国が侵略に動く可能性があり、もしそれがアジア太平洋地域で起これば日本への影響もあります。
ですので戦争を引き起こす事で課せられる経済制裁や他国からの評価の変化を見せ、負うリスクとリターンが吊り合っていない理解させる事で新たな戦争を起こさせない事が重要になります。
ウクライナ戦争では西側諸国の有事に対する備えと初期の対応で失策を犯してしまったので、今後同じような事が起こったとき緊密な連携が取れるかが重要になりそうです。
まとめ
最近になって西側諸国は消極的な姿勢を転換しつつありますが、ウクライナには現在も様々な制限があり歯痒い思いをしています。
西側諸国はそのような制限を撤廃して主権国家が持っているべき権利を行使できるようにしつつ、ウクライナ国民の士気が挫ける前に効果的な支援を行って欲しいですね。