ロシアはウクライナとの戦争の影響で外資が撤退し強力な経済制裁を受けながらも、全線で激しい戦闘を継続しています。
ただ今後数年間で様々な点で綻びが出ると考えられるので、今回は数年後のロシア経済に表れる厳しい状況について考えていきます。
戦時経済体制の悪影響
戦争中は砲弾や戦闘車両の生産を加速させるのですが、現代戦でこれらの兵器は急速に消耗してしまうので経済に大きな負担がかかります。
通常の製品と異なる点は生産した兵器はすぐに戦場で使う必要があるので他国に輸出してキャッシュを稼ぐ事もできない事にあり、軍事拡張をすればするほど負担だけが大きくなります。
現在の所はソ連時代の爆弾を改良するなど工夫しているものの、それも使い果たすと更なる生産設備の拡張を迫られロシア経済に大きな悪影響がでそうですね。
越境攻撃による被害
この戦争ではミサイルやドローンを利用して軍事施設やエネルギーインフラ施設を攻撃する事例が目立っていて、この傾向が続けばウクライナとの国境に近い発電所や製油所は機能不全になりそうです。
現段階で西側兵器を用いてロシア国内に攻撃する事は賛否が別れているため、ウクライナ側からは自国製ドローンによる攻撃が主ですが、今後欧米の方針が転換するとロシア経済への打撃も相当なものになりそうです。
ロシアは広大な領土を抱えているためウクライナからの攻撃を完全に防ぐ事は難しく、ロシア側から見ると大きな悩みの種になりそうです。
参戦者の増加による負担
戦争で傷を負った兵士や戦死者の家族には補償が行われるため、戦闘に参加する兵士が増えるほどこの負担が大きくなります。
また動員が進むとその分一般の職場で働く方が減りますし、帰還兵は戦闘ストレス反応の様な後遺症が残る場合もあり、これらの要因が合わさって深刻な労働力不足に悩まされる懸念もあります。
今後も動員を続けていくとロシア国内の戦争支持率が低下する可能性もあるので、ロシアがどのようにバランスを取るか注目したいですね。
まとめ
現代戦では一度膠着状態になると消耗線に突入し、日々失われる兵器と人員をどこまで補えるかが勝敗を分けます。
ロシアは多くの鉱物資源と高い食料自給率、人員確保の能力も高いので持久力がありますが、経済は確実にダメージを受けているので長期的にはNATOの持つ経済力に勝つのは難しいでしょう。
唯一ウクライナが追い込まれる状況は欧米による支援が止まってしまう事だけなので、今後も各国が協力して粘り強い支援を継続できるか注目したいですね。