個別株を評価する時様々な指標が発明されていて、特に割安株を探す際はPBR(株価純資産倍率)がよく使われます。
PBRも単体で万能な指標ではありませんが、知っていると参考になる事が多いので今回はPBRの使い方を見ていきましょう。
PBRの概要
PBR(株価純資産倍率)は株価を1株あたりの純資産で割って求められる指標で、現在の株価が企業の持っている価値と比べてどれだけ評価されているかがわかります。
PBRがどれだけ低ければ割安という基準はなく、人気の新興企業は株価がどんどん伸びて数十倍になる事がありますし、銀行や商社の株はPBRが1倍を割り込む事もあります。
したがってPBRが激しく変動する成長株で参考にならない事も多いので、成長が緩やかな成熟企業やバリュー株を評価する時に用いられます。
活用法①同業種の企業で比べる
実際の例としてバリュー株が多い代表的な商社株のPBRを見ていくと、1倍を割り込む銘柄もあり全体的に低い水準だという事がわかります。
そんななか、もし商社株でPBRが10倍を超えるような銘柄があれば何らかの理由で本来の実力以上に買われるという事なので、過剰に買われていると判断したら買うのは控えた方が良さそうです。
このようにある業種の代表的な企業のPBRの水準を抑えておくと、同業種の他の企業を見る際の参考になります。
活用法②個別企業の推移を見る
これがメインの活用法で、1つの企業のPBRの推移を見る事によりどの水準が割安か目安をつける事ができます。
上は通信大手KDDIのPBRの推移で、1倍から2倍を少し上回る程度に収まっている事がわかります。
ちなみに現在のPBRは1.7倍前後なので若干割高という事になりますが、他の指標やIR情報をみて株価の伸びや増配に期待する順張り派の方は買いに向かう選択肢もあります。
逆にもし来年KDDIの株価が暴落してPBRが1.0倍になったら何か他の投資家が敬遠する要素があるという事ですが、日頃からKDDIを狙っている逆張り派の方は積極的に買うという選択になるでしょう。
まとめ
PBRはある企業の割安さを判断するのに便利で、良い株を安く仕込みたい方には重宝されています。
ただ、PBRが50倍まで買われているのにそこから何倍も買われるグロース株や、いつ見てもPBRが0.5倍の優良企業など色々な株があるので、あくまで他の指標と合わせて総合的に判断したいですね。