ネコート式のんびり長期投資

のんびりと高配当株に長期投資していきます

今後30年で給与水準が伸びないとどうなるか

日本ではバブル崩壊して以降経済は冷え込んでいて、失われし30年という不名誉な呼ばれ方をされています。

 

また給与水準も30年間で横ばいで各種税金を差し引いた手取りの金額はむしろ悪化している等、上がり目が全くと言っていいほどないのが現実です。

 

今回はあまり考えたくはありませんが今後30年で給与が伸びず、失われた年数が60年になるとどうなるか考えていきます。

日本の給与推移の異常さ

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(https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/19/backdata/01-01-08-02.html)

 

上は日本で1年間を通じて働いた方の実質賃金で、横ばいどころか僅かに下げている事がわかります。

 

しかも少子高齢化の進行や社会のIT化の遅れにより給与が増えにくい環境にあり、最悪の場合30年後も平均年収が400万円代で停滞する可能性があります。

 

約30年後の2050年になっても平均賃金が伸びていない悪夢の様な状況になった時、どんな問題があるのでしょうか。

①人材が流出する

現在でも高度な技能を持つ方から短期就労でアルバイトをする方まで海外で働く方が増えてきましたが、日本の給与が低く留まるとアジアやアフリカに出稼ぎに行く未来も考えられます。

 

また、技能実習生の様な制度で新興国から来ている方も相対的に安くなった日本では働かなくなり、現行の制度は機能しなくなるでしょう。

 

グローバル化が進むと国境を超えて人材の取り合いになるので、いつまでもローカル考え方に胡座をかいている経営者は痛い目を見そうです。

②海外のモノやサービスが買えなくなる

アメリカの様な先進国の場合インフレ率の目標を2%程度に設定しているので、30年で物価は2倍弱になると考えられます。

 

そうなると日本で暮らす一般人から見ると海外のIT機器や自動車はおろか日用品すら買いにくくなりますし、成長幅の大きい米国株も手の届かない存在になります。

 

口数分割がない場合、例えば年率5%で成長したVOOの価格は1口1,500ドルを超え、1ヶ月の給与で1口も買えない悲惨な状況になるでしょう。

 

このように周りが適切にインフレしていくなかで自分だけ取り残されると大変な事になるので、給与が毎年増えていきそれに合わせて物価が伸びていくのは大切です。

③年金制度が破綻する

現在の日本の制度は賦課方式を採用していて、現役世代が納めたお金を高齢世代に支給し、その現役世代が受給する頃にはそのまた下の世代が支える方式となっています。


この制度はインフレが正常に機能している場合に効果を発揮し、例えば昭和40年の大卒初任給は約2万円でこの時に現在の年金制度があれば会社員新卒者の年金負担は2千円程度になります。


このように50年前から見ると10倍程度インフレが進んでいて、こういう時代に働いていた方にとっては年金を積み立てるより現役世代から現代に見合った金額を受け取れるという嬉しい制度と言えます。


ただ60年間給与水準が伸びずましてや下がったりすると、賦課方式を採用する意味が薄れますし、少子高齢化との合わせ技で世代を経るごとに年金の苦しみが増していくでしょう。

まとめ

このまま給与水準が伸びないと成長を続ける海外との差はますます開き、嘗ての先進国と呼ばれるアルゼンチンのように苦しい未来が待っていそうです。

 

これを避けるためには政府・企業・労働者の協力が必須ですが、動き始める兆候すら見られず失われし60年に向けてスタートを切ってしまいました。

 

今回はかなりネガティブな話題になってしまいましたが、平均年収はあくまで平均なので個人のスキルを磨き資産を積み上げる等少しずつでも対策をとりたいですね。