以前、サントリー新浪社長の「45歳定年制」の導入について提言した事が色々な場所で話題になりましたが、私は「定年」という発言がまずかっただけで発言の趣旨には概ね賛同しています。
今回は話題に上がった職業人における45歳という年齢と、私が予想するこれからの働き方について考えていきます。
45歳という年齢
日本の一般的な企業や公務員の採用慣行は、新卒一括採用をし、初任給は20万円そこそこ、年功序列で徐々に年収が増加するというのが一般的なモデルケースです。
その中で45歳というのは、これまで低賃金で働かされ続けた見返りにある程度まとまった収入を計算できる貴重な期間であり、老後の生活のための貯金を蓄える絶好の機会です。
一方で、職業人生の中で45歳は丁度中間点であり、人によってはこれまでに培ったスキルや経験、実績を持ってよりハイクラスの会社に転職を考えたり、蓄えた貯金を当てにしてゆるゆると働く人、極端な例ではF IREを達成してしまう人も出てきます。
つまり45歳という年齢は、それぞれの働き方や生き方について考える分岐点であるといえます。
企業の寿命
新卒一括採用と終身雇用が特徴だった日本の労働環境にこのように選択肢が生まれたのは、企業の寿命の短命化が1つの要因です。
東京商工リサーチによると2020年に倒産した企業の平均寿命は23.3年(前年23.7年)となり2年連続の低下となりました。
また企業の寿命とは関係ありませんが、米国の有名な株価指数であるS&P500の構成銘柄は、1980年には30年以上構成銘柄として採用されていましたが、2015年には25年まで低下しており、技術革新が進む世界で事業を続ける難しさが感じられます。
これからの労働環境
企業の寿命が短い社会では、元々転職を希望している方だけでなく、職業人が不測の事態に備え自分の市場価値を把握する必要があります。
早いうちに転職エージェントを活用して、これまで培ってきたスキルや経験のうち何が役に立つか把握し、またそのために20代〜30代のうちから有用なスキル・実績の獲得に動くのも対策の1つです。
社会の環境は変わっていくので、今の考えもアップデートする必要がありますが、社会の変化・流動性の高まりを味方につけたいですね。
まとめ
サントリー社長が言ったように、45歳というのは自分の人生を考えるのに丁度いい歳なのかもしれません。
今の会社に残るにしろ、転職や独立するにしろ若いときからの準備が大切ですね。